腎愛会の透析

   

透析医療の自主評価機能指標

 日本透析医会では、昨今の透析医療を取り巻く環境変化を鑑み、自律的に診療内容や医療の質の評価を公開することが必要であると考え、自主機能評価指標の項目を選定されました。
当院もこの考えに賛同し、日本透析医会の自主機能評価指標に基づき、各項目を公表することといたしました。
ご覧になる方は下記をクリックしてください。
  

上山病院の自主機能評価指標

血液透析

1.ボタンホール穿刺

 當間先生、新里先生が考案されたボタンホール穿刺では、先端が鈍な穿刺針を使用し、同一部位(同じ場所)に穿刺するため、ほとんどの例で穿刺痛は認められません。腎愛会では、このボタンホール穿刺を血管の状況に合わせ取り入れております。

  

2.エコーガイド穿刺

 血管が細い、深いなどの理由から触知が困難な場合でもエコーを使用することによって、確実な穿刺が可能となります。腎愛会では一足早くエコーガイド穿刺技術を取り入れ、穿刺トラブルに対する苦痛を軽減し、安全で円滑な透析治療を提供しています。
   

3.きれいな水

 近年ではほとんどのダイアライザがⅣ、Ⅴ型のハイフラックス膜となっており、透析液はダイアライザを介して体内に入る事になる為、きれいな水できれいな透析液を供給する事が必須となります。腎愛会ではオンライン補充用透析液の水質基準である細菌数10-6CFU/ml、ET0.001EU/ml未満を全台クリアし、基準を維持しております。

 

オンラインHDF

  【上山病院】【うえやま腎クリニック】両院で実施しています。   
 私達の腎臓では、血液をろ過し、余分な水分や老廃物を取り除いて血液をきれいにし、尿をつくっています。オンラインHDFはろ過のために透析液をそのまま補液として使用するため、多くのろ過をかけることができ、より多くの老廃物を取り除くことができます。   
 透析を長期間続けると起こってくる合併症に、アミロイドーシスがあります。透析アミロイドーシスは、血液透析治療が長期に渡っている腎不全患者に頻発する合併症です。β2-MGを構成成分とするアミロイド沈着が発症原因であり、沈着は骨および関節の中とその周辺,ならびに手根管内に好発し,消化管や他の臓器にも認められています。これらのことから、手根管症候群、破壊性脊椎関節症、骨嚢胞性病変、病的骨折など特徴的な臨床症状が起こります。   
 透析アミロイドーシスの治療は、患者体内のβ2-MGを除去し、アミロイド沈着を防止することにあります。また、アミロイド沈着局所においては、マクロファージ※1がサイトカイン※2を放出するため、サイトカインの除去も必要となります。   
 オンラインHDFでは、血液透析と比較して上記老廃物の除去を効率的に行うことができ、アミロイドーシスの予防・症状改善、エリスロポエチン阻害物質の除去による貧血の改善、また、サイトカインが除去できることから、全身の痒みやしびれ・不眠などの改善が認められるなど、透析アミロイドーシスのみならず、その他の合併症へも効果があります。   
 当院では1996年よりHDFを始めた経験値から、より適切なオンラインHDFによる加療を提供致します。   
 ※1マクロファージ:白血球の一種  ※2サイトカイン:体内で炎症が起きた時に放出される情報伝達物質

腹膜透析(CAPD)

 腹部にカテーテルを留置して、透析液を1500cc~2000cc注入し、腹膜を通して透析を行う方法です。透析液は1日3~4回交換しますが、水分制限、食事制限もごく軽度です。透析中の血圧低下も見られません。高齢者に適した透析です。
 上山病院では、現在腹膜透析にも積極的に取り組んでおります。

腎愛会の透析 AtoZ

「腎愛会ニュース」に掲載した腎愛会の腎臓医療や人口透析に関する取り組みをご紹介いたします。下記のご覧になりたい項目をクリックしてください。

  

・上山病院の透析室・腎愛会の透析の特徴  

・腎愛会こだわりのダイアライザー

・きれいな水づくり(透析液)   

・オンラインHDFとサイトカイン   

・エコーガイド下穿刺

・透析治療を受けられる方々に関係の深い血液検査項目について   

・透析とセロトニン

 

看護の現場から

看護の現場から写真 長期の透析治療は、ストレスや不安を与えます。さらに入院治療となると、生活する感覚まで忘れがちです。上山病院では「固定チームナーシング」という看護体制で日や月、年ごとの目標設定で意識を高め、患者様個人には年間看護計画を作成します。スタッフが主体的に動き、患者様一人ひとりのケアを考えます。またリハビリやレクリエーションへのお誘いなどは入院患者様の床ずれ(褥瘡)解消に効果があり喜ばれています。

 

  

院内勉強会など

腎愛会では、患者様のための勉強会を開いています。腎臓は普段意識しない臓器なので、その機能や病気になったときの対策など知らない方が多いと思います。治療のいろいろ、食事療法の注意、合併症の予防など、ご一緒に勉強しましょう。患者様だけでなく、ご家族の方も受けられますので、ぜひご参加ください。また、治療や看護についてのご相談がありましたら、いつでもお声をかけてください。スタッフをご家族の一員と思っていただけたらありがたいです。

  ⇒腎臓いきいき教室はこちら

このページのTOPへ